上田市の犬猫の診療を行うポウ動物病院

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高齢期を迎えたら

動物も人間と同様に、年をとるにつれ、様々な身体能力が次第に衰えていきます。
飼い主にとっては、いつまでも可愛い子供のように見えても、犬、猫は人間の数倍の速さで年齢を重ねていきます。
高齢期の行動もこれまでとは違う変化をしていきます。
高齢期の犬、猫との過ごし方を知っていただき、これまで以上に楽しい生活を過ごしてください。

犬・猫の年齢

犬、猫は人間でいう成人(20歳)を迎えた後、1年で4~7歳ずつ年を重ねていきます。
一般的に猫・小型犬は10歳頃、中型犬は9歳頃、大型犬は7~8歳頃から高齢期が始まると言われています。

下の表は横にスクロールしてご確認いただけます。

生後 1ヶ月 6ヶ月 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年

小型犬
1歳 9歳 17歳 23歳 28歳 32歳 36歳 40歳 44歳 48歳 52歳 56歳 60歳 64歳 68歳 72歳 76歳 80歳 84歳 88歳 92歳 96歳
中型犬 23歳 28歳 33歳 38歳 43歳 48歳 53歳 58歳 63歳 68歳 73歳 78歳 83歳 88歳 93歳 98歳 103歳 108歳 113歳
大型犬 12歳 19歳 26歳 33歳 40歳 47歳 54歳 61歳 68歳 75歳 82歳 89歳 96歳 103歳 110歳 117歳 124歳 131歳 138歳 145歳
成長段階    ベビー~ジュニア期 成長期~成熟期 高齢期~老年期

高齢期に現れるサイン

  • 体重の変化がある
  • 食事の嗜好性が変化してきた
  • 白髪が増えた
  • 抜け毛が増えた
  • 寝る時間が増えた
  • 目が白っぽくなってきた
  • 目ヤニが増えた
  • イボなどできものができた
  • 口臭が出てきた
  • 物事への関心が低下してきた
  • トイレの回数が増えた
  • 毛の艶がなくなってきた

これらは飼い主でも気づける老化のサインです。高齢期を迎えた犬、猫が快適に過ごせるように生活環境を整えなおしてあげましょう。
また、高齢になると病気のリスクも高くなります。内臓の機能の低下などは普段の生活の中で気づいてあげることは難しいです。正常なときからの変化を診るためにも年2回の健康診断を受診しましょう。

高齢期に多い病気

脳の病気

てんかん

原因は遺伝によるもの、脳炎、脳梗塞、脳腫瘍、水頭症、脳への外傷などですが、突然意識を失ったり、痙攣を起こしたり、繰り返し発作を起こします。

口の病気

歯周病

歯と歯ぐきの間に入り込んで増殖した細菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える骨が破壊されていく病気です。

口腔内(歯)の病気について

脊椎の病気

変形性脊椎症

老齢期に多く見られ、腰痛や歩行障害などが起こります。重症化すると後肢がマヒし、寝たきりになってしまうこともあります。

関節の病気

変形性関節症

主に、中高齢期の股関節・肘・膝・肩に良く見られ、関節の軟骨組織がすりへったり、破壊されたりすることにより、様々な部位に発生して関節の動きが悪くなったり慢性的な痛みを伴います。

関節炎

歩き方がおかしい、足をひきずるなどの症状が出ます。関節軟骨の障害により、慢性的な痛みが持続し生活の質が低下します。

ホルモンの病気

甲状腺機能亢進症

甲状腺の機能異常により、ホルモンが過剰分泌されて障害が現れてきます。食欲があるのに痩せていく場合は要注意です。

腎臓の病気

腎不全

腎臓の働きが悪くなり、老廃物が体内に溜まることにより、貧血や尿毒症などを引き起こします。飲水量やおしっこの量が増えてきたら、まず腎疾患を疑いましょう。

泌尿器(腎臓)の病気について

心臓の病気

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁は、心臓の左心房と左心室の間に存在する弁で血液が逆流しないように重要な役割を果たしています。この弁が異常をきたし心不全による咳・運動不良・失神・肺水腫などの症状が出ます。

腫瘍

腫瘍は癌や肉腫とも呼ばれ、高齢になると発生しやすくなります。
乳腺腫瘍はメスに最も多く発生する腫瘍です。特に不妊手術をしていないメスでの発生率が高い傾向にあります。その他にも人間と同様、様々なところに腫瘍が発生します。

腫瘍(がん)について